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法制執務Q&A
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2009年9月18日金曜日

共通見出しを付けた条(項)の追加

お問合せ

改正文の中で
「附則第6項の見出しを削り、附則第5項を附則第6項とし、同項の次に次の見出し及び1項を加える。
(○○○)
7 ×××××  」    
という表現があるのだけれども、
(1) 「見出し及び」というのは、あまり見られない表現であるが、最近はよく使われるのか。
(2) 同じ項の追加の箇所でも、「見出し及び」が記載されない箇所があるが、法制執務的に使い分けているのか。

弊社見解

 新たに追加される項の次の項に見出しがないことになるため、法制執務上共通見出しを付すという意味として「見出し及び」が用いられる使用であります。
 使分けとしましては、追加される見出しが、共通見出しとなる場合には「見出し及び」を用い、共通見出しとならない場合には用いないとするのが、法制執務的には適切であると考えます。

<参考例>
政令 第百五十四号
地方法人特別税等に関する暫定措置法施行令
第三条 首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律施行令(昭和四十一年政令第三百十八号)の一部を次のように改正する。 附則第九項の見出しを削り、同項を附則第十項とし、附則第八項の次に次の見出し及び一項を加える。
   (都府県の一般財源の額に係る特例)
 9 第三条第二項の規定の適用については、当分の間、同項中「地方道路譲与税」とあるのは、「地方法人特別譲与税、地方道路譲与税」とする。

2009年9月17日木曜日

「辞令書」と「委嘱状」

お問い合わせ

○用語の意味について

「辞令書」と「委嘱状」の意味、違いが知りたい。また、公民館長等についてはどちらを出せば良いか。

弊社見解

「委嘱」とは、「任命」と意味上の区別はなく、任用されることとなる対象者の身分によって使い分けがされているものだと思います。

審議会・調査会などの委員に、民間人やその行政機関に属さない公務員を任命する場合には、任命権者と、任命される者の間に特別な権力関係が存在しないので、「任命」と意味上の違いはないものの、敬意を表して、「委嘱」が使用されているようです。この際に、発するものが「委嘱状」であります。

これに対し、審議会・調査会などの委員等であっても、行政機関内部の職員を命じる場合には、「任命」等を用い、「辞令書」を交付することになると思います。

【委嘱】

一定の事実行為又は事務をすべきことを他人に依頼することをいい、用語の本来の意味としては「委託」とほとんど同じで、法令上この意味に用いられたこともある。しかし、法令上の用例としては、多くの場合、行政機関に置かれる審議会、調査会等の委員、幹事等を任命する場合に、当該行政機関以外の行政機関の職員、民間の学識経験者等から任命するものについて、本来そのものとの間に特別の権力関係がないので、「任命する」又は「命ずる」という用語を使う代わりに、多少敬意を表して用いられることが従来多かった。 (法令用語辞典、学陽書房、p12)

公民館長についても同様に、行政機関の職員が兼ねる場合には、「任命」として、「辞令書」を交付し、民間の学識経験者等を任命する場合には、「委嘱」として、「委嘱状」を交付することとなると思います。

2009年9月16日水曜日

会計年度を超えた遡及適用について

お問い合わせ

適用日は、公布施行する日から最大どのくらいまでの間遡ることができるか。年度内での遡及適用という考えでいるが、あっているか。補助金の関係で改正した例規について、”遡及は年度内まで”という考えから「4月1日から適用する」としたが、この理解で問題ないか。

弊社見解

一般的に、遡及適用は例外的なものでございますが、その可否については個々の事情に応じ判断が異なることと思います。租税等の国民に不利益な定めを遡及することはできませんが、相手方に利益をもたらす規定については、場合により、施行日前後の状態の公平な扱い等の見地から、遡及適用も、必要に応じて許されるものと思います。

ご質問のような、年度を越える遡及適用については、会計処理の立場からは、適正を欠くおそれがございますが、法令上は、会計年度とは、特に直接の関係はなく、会計年度を越える遡及適用ができないとまでは考えられませんので、自治体様のご判断次第であると思います。また、最大どのくらい遡ることができるかについても、一律に判断することは妥当ではなく、具体的な実情に即して、個別具体的な判断が必要であろうかと考えます。

資料欄にて、実際に年度を越えて補助金交付要綱の改正を遡及させている事例をご紹介させて頂きます。ご参考になれば幸いです。

資料

○秦野市労働者住宅資金利子補助金交付要綱http://navi.city.hadano.kanagawa.jp/bunsyo/reiki/act/content/content110000904.htm

        附 則(昭和56年7月1日)
この要綱は、昭和56年7月1日から施行し、昭和56年1月1日から適用する。
   附 則(昭和58年4月1日)
この要綱は、昭和58年4月1日から施行し、昭和58年1月1日から適用する。
   附 則(平成3年6月1日)
この要綱は、平成3年6月1日から施行し、平成3年1月1日から適用する。

○勝央町公会堂新築工事費補助金交付要綱http://www.town.shoo.okayama.jp/reiki/act/print/print110000231.htm

     附 則(昭和60年7月26日要綱第8号)
この要綱は、公布の日から施行し、昭和59年10月1日から適用する。

2009年9月11日金曜日

一部改正後の別表部分だけを遡及適用させる場合

お問い合わせ

 条例等の一部改正を行う場合において、一部の改正規定の施行期日を遡及適用する場合において、 遡及する改正部分が別表に記載された事項のみの場合、

①この条例は、平成○年○月○日から施行し、改正後の別表の規定は、平成○年×月×日から適用する。

となるか、又は別表の根拠となる条項により、

②この条例は、平成○年○月○日から施行し、改正後の第○条の規定は、平成○年×月×日から適用する。

となるか、どちらが適当であるか。

弊社見解

 特定の規定のみを遡及適用する場合には、その改正される特定部分を掲げるのが適切であると考えます。そのため、案①によることが適切と考えます。
 以下、例を掲げますのでご参照下さい。


政令 第三百三十七号
在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の額及び住居手当の限度額を定める政令の一部を改正する政令

   附 則  
 この政令は、公布の日から施行し、改正後の別表第一の規定は、平成八年八月一日から適用する。ただし、同表に規定する在外公館中在リヒテンシュタイン日本国大使館に係る同表の規定は、平成八年十月一日から適用する。


政令 第百五十二号
防衛庁職員給与法施行令の一部を改正する政令

   附 則
 この政令は、公布の日から施行し、改正後の別表第二(地方総監部に係る部分に限る。)の規定は、昭和六十二年四月一日から適用する。



政令 第三百号
公衆電気通信法施行令の一部を改正する政令

   附 則  
 この政令は、公布の日から施行し、改正後の別表の規定は、昭和五十九年四月一日から適用する。

2009年9月10日木曜日

附属機関の会議について、流会した場合、報酬及び費用弁償 は支払われるか

お問い合わせ

附属機関の会議が、流会となった場合に報酬及び費用弁償は支払われるのか?

弊社見解

定めのない事項の取扱いは、議会議員の例に倣うこととなると思いますが、こちらについても、規定を置いているいくつかの自治体様を除き、流会の場合の取扱いが明記されておりませんでした。

しかしながら、流会とは、次のように

流会とは、議会の招集日に招集に応じた議員が議員定数の半数に達せず、会議を開かなかった場合のことをいう。招集の日に閉議時刻になっても応酬議員が議員定数の半数に達しない場合には、定足数を欠き、その日の会議を開くことは不可能であり、流会となる。また、一旦閉会され、休憩後に再び会議を開くに至らず、閉議時刻を過ぎたときも、その日の会議は流会となる。(地方議会運営辞典、ぎょうせい、p565)

閉議時刻まで会議が開けず流会となる場合、休憩後に会議を開けず流会となる場合等、状況が一定ではなく、会議に応招していた委員・応じなかった委員について一律の取り扱いをすることは適当ではないと思います。

それぞれの自治体様の条例解釈の問題であるとは思いますが、弊社見解としましては、会議の招集に応じ、出席した委員については流会となっても、費用弁償等が支給されることが妥当であろうと考えます。

2009年9月7日月曜日

経過規定の見出し

お問い合わせ

経過規定の見出しにおいて、「経過措置」「特例措置」等あるが、その使分けはあるのか。

弊社見解

* 経過規定の見出しは、「(経過措置)」とするのが通例である。
『法制執務詳解 新版』(石毛正純著 ぎょうせい)(p192)


経過規定の見出しは「経過措置」とする場合が最も多いですが、他にも

○特例措置
○特例
○暫定措置
○特別措置

などが見受けられます。 これらの使分けについては、法制執務的には、明確に定義はされていないものと思われます。経過規定の内容、慣例又は傾向としてこの場合にはこのような表現を使うということが存在しているにすぎないと解されます。

※ 例えば、人事院勧告に関連する改正の場合、一時的な措置であり「特例措置」と規定されることが 多いと思われます。

※ 暫定措置  「激変緩和のための暫定措置では、比較的短期間で本則の原則へ移行させるのが普通であるが、期間を明示せず、本則の原則を目標としてしばらくは例外的に緩和された状態とする、というものもある。これは社会情勢など の一定の条件が満たされる場合には本則に移行する意味を含んだ措置であり、「当分の間」の例外措置とすること が多い。」
『法制執務ハンドブック』(大島稔彦緒 第一法規)(p156)

2009年9月1日火曜日

「準用読替え」と「読替え適用」

お問い合わせ

準用の際の読替え規定と、読替え適用は表現上どのような違いがあるのか。

弊社見解

<表現上の違い>
「準用読替え」
→「~準用する。この場合において、第○条中「○○」とあるのは、「××」と読み替えるものとする。」
〔参考例〕
○特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律
(平成十七年五月二十五日法律第五十一号)
 (準用)
第二十七条
 第十九条第二項、第三項、第五項及び第六項並びに第二十条の規定は前条第一項の登録について、第二十一条から第二十五条までの規定は登録特定特殊自動車検査機関について準用する。この場合において、これらの規定中「特定原動機検査事務」とあるのは「特定特殊自動車検査事務」と、第十九条第五項中「登録特定原動機検査機関登録簿」とあるのは「登録特定特殊自動車検査機関登録簿」と、第二十一条第六項中「特定原動機製作等事業者」とあるのは「特定特殊自動車製作等事業者」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

〔異なる2以上の字句を同時に同一の字句に読み替える場合の参考例〕
○獣医療法
(平成四年五月二十日法律第四十六号)
 (往診診療者等への適用等)
第七条 (略)
2  第五条の規定は、農林水産省令で定める診療用機器その他の物品(以下「診療用機器等」という。)を所有し、又は借り受けてこれを使用する往診診療者等について準用する。この場合において、同条中「診療施設」とあり、及び「構造設備、医薬品その他の物品の管理及び飼育動物の収容」とあるのは、「診療用機器等」と読み替えるものとする。

「読替え適用」
→「「○○」とあるのは、「××」とする。」
〔参考例〕
○独立行政法人スポーツ振興センター法
(平成十四年十二月十三日法律第百六十二号)
   附 則
第三条  センターの最初の事業年度の第二十一条第一項に規定する事業計画等に関する同項の規定の適用については、同項中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「センターの成立後最初の中期計画について通則法第三十条第一項の認可を受けた後遅滞なく」とする。

『ワークブック法制執務』(法制執務研究会編 ぎょうせい)(p191~197)より





2009年8月27日木曜日

備考での特例措置規定

お問い合わせ

 条例の一部改正についてですが、期限付きの特例措置を規定する場合、原始規則の附則に追加するのが普通の考え方と思いますが、別表の備考に追加して規定する方法もありかなと思うのですが、いかがでしょうか。

弊社見解

 表に(注)又は(備考)が付けられることがあるが、これらは、表の中に用いられている語句の定義や表を適用する場合の留意事項、細則等を規定する場合に用いられる。
『ワークブック法制執務』(法制執務研究会編 ぎょうせい)(p230) 
 附則に規定する事項は、当該法令の施行期日、当該法令の各規定の適用関係、既存の法律関係と本則に定められた新しい法律関係との間の調整などの経過措置、当該新しい法令の制定に伴う既存の法令についての改廃規定などである。                       
(同書)(p258)

 条例・規則の附則の改正をしなければならない主要なケースは、次の2通りである。
① 本則で規定された事項に対する特例ないし暫定措置を講ずる必要が生じた場合(この場合には、制定当初の附則の 一部改正となる。)
② 条例・規則の一部改正の際に規定された経過措置等を改正する必要が生じた場合(この場合には、一部改正条例・ 規則の附則の一部改正となる。)
『法制執務詳解 新版』(石毛正純著 ぎょうせい)(p354)


 お見込みのとおり、通常お問い合わせのような特例措置は原始附則に規定されるべき性質の規定と解されます。
 備考中に規定することはできないことはないと思われますが、当該規定は特例措置の期間の経過後も本則の別表の備考に残ってしまいます。期間経過後に不要となる規定を、本則の別表の備考に規定する必要性はないと考えます。

2009年8月26日水曜日

議員の予算を伴う議案提出権について

お問い合わせ

地方自治法
(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)
第百十二条  普通地方公共団体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる。但し、予算については、この限りでない。
2  前項の規定により議案を提出するに当たつては、議員の定数の十二分の一以上の者の賛成がなければならない。
3  第一項の規定による議案の提出は、文書を以てこれをしなければならない。
 議員の議案提出権についてかかれているのだが、 議員が予算を伴う条例を議会に上程することは(「但し、予算については、この限りでない。」という規定を踏まえて)、可能なのか。


弊社見解

地方自治法に次のような規定がございます。

(予算を伴う条例、規則等についての制限)
第二百二十二条  普通地方公共団体の長は、条例その他議会の議決を要すべき案件があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が適確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に提出してはならない。
2 普通地方公共団体の長、委員会若しくは委員又はこれらの管理に属する機関は、その権限に属する事務に関する規則その他の規程の制定又は改正があらたに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が適確に講ぜられることとなるまでの間は、これを制定し、又は改正してはならない。

 「議会の議員が予算を伴う条例案その他の案件を提出する場合は、本条(第222条)の趣旨を尊重して運営されるべきものであって、あらかじめ執行機関と連絡の上財源の見透しを得る必要があろう(通知 昭31.9.28。行実 昭32.9.25)。『逐条 地方自治法』(松本英昭著 学陽書房)(p721)

 地方自治法第112条は、予算の提案権は長に専属しておりますので議員にはすることができないことを示しており、予算を伴う条例を提案することができない旨を規定したものではございません。
 しかしながら、本来、条例と予算は表裏一体のものであり、予算を伴わない条例は実行性を期しえないものでありますから、上記解説にありますように、議員としても、第222条の趣旨を尊重して運用すべきであります。このように、財政負担を伴う条例を議案提案する場合には、当該団体の財政状況を考慮し、かつ、執行部の意見を聴き、慎重に期すことが望まれます。

2009年6月29日月曜日

施行期日を遡らせる場合の附則について

【お問い合せ】

附則の書き方について

6月に公布する「○○条例施行規則の一部を改正する規則」の附則を

①「この規則は公布の日から施行し、改正後の○○条例施行規則の規定は平成21年4月1日から適用する」とした場合

②「この規則は、公布の日から施行し、平成21年4月1日から適用する」とした場合

上記のようにした場合、効果に違いが生じるか否か。

【弊社見解】

※「○○条例施行規則」をA規則、「○○条例施行規則の一部を改正する規則」をB規則とします。

①のようにした場合

一部改正規則であるB規則の施行日は、公布の日となり、これによって改正されるA規則が、平成21年4月1日から遡及適用されることとなります。

「この規則(B規則)は公布の日から施行し、改正後の○○条例施行規則(A規則)の規定は平成21年4月1日から適用する」

②のようにした場合

A規則を改正するための一部改正規則であるB規則そのものが、公布の日から施行、平成21年4月1日から遡及適用されることとなります。

「この規則(B規則)は、公布の日から施行し、平成21年4月1日から適用する」

両者の効果の違いとしましては、②の場合、改正附則にその改正規則(B規則)自体の適用の遡及を規定することとなり、改正対象の規則の適用を遡及させることにならないところにございます。

新規制定例規については、②のような附則が見られますが、今回のような一部改正例規については②のような附則は通常用いず、①のような形にし、改正後の例規を遡及適用させる形になるものかと思います。ご参考になれば幸いです。